ドイツ、大連立へ一歩進んだのか?2大政党が本協議で合意。
出典:https://jp.reuters.com/article/germany-politics-immigration-idJPKBN1EZ0FV
ドイツの2大政党が本協議合意した。大連立へ一歩進んだ。
今回は、
・趣旨
・ドイツ連邦議会選挙2017の結果
・ドイツの政治空白の背景
・今後のドイツの方向性
・私個人の考え
の5点の視点で、整理、考えました。
1.趣旨
2018年1月12日、メルケル独首相が率いるCDU・CSUと第2党であるSPDは、 大連立政権に向けた正式協議へ進むことで合意した。 理由は、両政党が対立していた難民問題や税・社会保障でお互いが歩み寄り、協議継続の条件が整ったためである。
2.ドイツ連邦議会選挙2017の結果
ドイツ連邦議会選挙2017年の結果について整理します。
1)各政党の獲得議席数
各政党の獲得議席数について、改選前と改選後を比較しました。
①改選後議席数
CDU・CSU:246
SPD:153
AfD:94
FDP:80
DIE LINKE:69
GRUNE:67
②改選前議席数
CDU・CSU:309
SPD:193
DIE LINKE:64
GRUNE:63
無所属:1
2)右党政党が躍進
2017年に実施されたドイツ連邦議会選挙では、メルケル首相が率いるCDU・CSUが第1党の座を獲得した。 しかし、CDU・CSUは改選前と議席数を比較すると60以上の議席数を減らしている。
またその一方で、右党政党らが躍進している。 特に、新興の右派政党であるAfDが、一気に第3党に躍進している。
AfDは、難民の受け入れに対して、厳しく反対しています。 ドイツ国民が、難民受け入れに対して厳しい姿勢であることが読み取れます。
3.ドイツの政治空白の背景
ドイツの政治空白の背景とは一体何か?
ドイツの政治空白の背景について整理してみたいと思います。
1)ドイツの政治空白の背景
メルケル首相率いるCDU・CSUはSPDと大連立政党を結成したい考えである。 しかし、SPDは、連立結成に対して慎重な姿勢であり、政党内で反対なものが多く、連立協議が長引いた。
2)両政党の訴え(主な争点に対する)
①難民問題
<CDU・CSU>
CDUは、人道的理由により、難民を受け入れる姿勢。(受け入れ数に関しては上限を設けない姿勢) 一方で、姉妹政党であるCSUは、難民の年間受入人数を20万人と主張し、難民の受け入れに対し厳しい姿勢。
<SPD>
SPDも、CDU・CSUと同様に、難民を受け入れる姿勢である。 しかし、SPDはメルケル首相は、難民の管理などの現状の難民問題を放置していると批判している。
4.今後のドイツの方向性
出典:https://www.jiji.com/jc/article?g=int&k=2018011201001&p=0180112at66&rel=pv
次に、今後のドイツの方向性について整理してみます。
1)難民問題
難民の年間受け入れ数を、22万人に引き上げた。 SPDが主張している難民の家族受け入れについては、ごく限定的に進めることに決定。
2)税制問題
減税を100億ユーロ規模で段階的に進めることで決定。 SPDが主張していた、高所得者への増税に関しては実施しないことで決定。 医療保険改革については、SPDが提案していた公的保険と民間保険の一本化の案は見送り、公的保険加入者の負担軽減策にとどめ合意した。
5.私個人の考え
最後に私個人の考えを述べたいと思います。
今回は、ドイツ連邦議会選挙の結果内容や各政党の主張をメインに整理しました。
私は、難民問題について、1点懸念があります。 それは、現在の難民の管理をどうするのか。です。 理由は、難民問題に対して厳しく批判する右党政党であるAfDが新興政党であるにもかかわらずドイツ第3党に位置しています。
この背景には、2015年にケルンで起きた集団暴行事件などにより、政府はドイツ国民から難民管理ができていないと思われており、ドイツ国民が難民の受け入れに対して厳しくなっている現れだと思います。
具体的な難民問題に対する解決策は、現在私の中で整理できていませんが、 ドイツは、難民の管理について、今後も考える必要性があると思います。
(参考)
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